遺産分割協議書について【新潟市の相続専門ブログ】
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2020/06/03
ブログ
1.遺産分割協議書とは
遺産分割協議書とはどのような書類なのでしょうか?
遺産分割協議書とは、被相続人の財産を相続人の間でどのように分けるのかを話し合い、遺産分割協議が行われたときに、その内容をまとめた書類のことを言います。
遺産相続が起こったとき、相続人が一人ならその人がすべての遺産を相続します。対して、相続人が複数いる場合には、誰がどの遺産を相続するのかを決定しなければなりません。そこで、相続人全員が協議に参加し、全員が合意する必要があります。
全員が合意できたら遺産分割協議自体は終了します。。。が、、、
分割協議をいざ始めると、互いの思惑が衝突しあい、話がまとまらないことも多くあり、分割協議が進まなければ、その先の相続手続きが滞ってしまいます。
トラブルになることも多い遺産分割協議は、相続手続きの中でも重要なポイントとなります。そして、どのような内容で合意したのかが明らかにしておかないと、後でトラブルになるおそれがあります。
2.遺言書の有無に関係するの?
【遺言書が無い場合】
法律に定められた相続人(法定相続人)が遺産を相続することになります。被相続人の遺産をどのように分けるかを話し合い(遺産分割協議の場を設ける)、決定した内容を書面にまとめた遺産分割協議書を作成します。
【遺言書がある場合】
遺言書は、被相続人が亡くなる前の最後の意思表示を示した書類であり、相続人はこれの通りに遺産を取得することが原則です。
ただし、”相続人全員”が遺言の内容に納得せず、協議を求めた場合は、これに束縛されずに、相続人の間で遺産分割協議を行い遺産分割の方法を新たに決めることもできます。
※遺言執行者がいる場合の注意点
遺言書の中で遺言執行者が選任されている場合は、遺言者執行者は相続財産についての管理処分権を有し、遺言内容を実現する義務がありますので、遺言の内容がしっかりと反映されるように職務を全うしなければなりません。
そして、相続人も遺言執行者の遺言執行を妨げることはできません。
民法上では、相続人全員の合意があったとしても、遺言書と違う遺産分割はできないことになります。
ただし、実務上は遺言執行者の了承を得た上で、遺言と異なる遺産分割はされていることが多いです。
3.遺産分割協議書は必ず作らないといけない?
結論から申し上げると、
遺産分割協議書の作成は必ず作らなければいけないものではありません。
ただし、遺産には預貯金のように流動性があり簡単に分けられるものだけでなく、不動産や非上場株式など法定相続分の通りに遺産分割を行うと相続人全員の共有状態になります。特に不動産は、遺産分割協議をして、相続人のうちの一人が所有するようにして共有を避けることによりのちのトラブルを少なく済ませることができます。分割協議を書面にまとめることは
・分割の合意の内容を明確にする
・協議の内容を文書で残すことで、トラブルを避ける
・財産の名義変更をする際に必要となるため作成する
・相続税が発生する場合には申告書に添付する
これらの目的を達成するためにあるといってもいいでしょう。
4.遺産分割協議書の作成方法
遺産分割協議書を作成するには、手書きじゃなくても大丈夫です。パソコンでも打ち出したものでも構いません。
遺産分割協議書のフォーマットはインターネットに出回っていますが、必要事項が漏れてしまうと作り直しになってしまうこともあります。
また、遺産分割を相続人全員でした後、遺産分割協議書を作成して、相続人それぞれの実印を押印した場合、原則として、
あとから遺産分割の無効や取消の原因が出てくる等の事象がなければ、遺産分割協議をやり直すことはできません。
ご自身の判断で難しいと思われる場合は、専門家にご相談ください。
【新潟市の相続専門ブログ】相続専門税理士・CFP認定者 梅田 篤志